NextGeM Inc.

White Paper
White Paper

White Paper

ヒト造血幹細胞の生体外増殖法の開発



現在、細胞治療が大きく注目されています。近い将来、さらなる技術の発展により様々な難治疾患を根治できる多くの細胞治療が実際の臨床現場で使われると期待されています[i]。
ネクスジェン株式会社では細胞治療に関する技術開発 、特に造血幹細胞 (Hematopoietic Stem Cell; HSC)の未分化な状態を保持したまま細胞培養可能な培養液の開発を進めております[ii]。
造血幹細胞は、骨髄や末梢血、臍帯血に存在する希少な幹細胞で、様々な血球細胞に分化できる幹細胞です。そして、造血幹細胞移植は、血液がんや免疫疾患などを根治出来うる治療法です[iii。



造血幹細胞移植の課題

造血幹細胞移植のための幹細胞の入手源は、骨髄や末梢血、臍帯血などが存在します。特に臍帯血を用いることには以下のようなメリットがあります。

  • ドナーへの負担が少ない
  • 冷凍保存により必要時に利用可能
  • 移植可能なHLAの型の制限が比較的緩い
  • 重症の拒絶反応を起こしにくい
一方で、臍帯血に含まれる造血幹細胞の数が非常に少ないため、患者に移植する際の必要細胞量が得られないことがあるという問題があります。  このことから、造血幹細胞を医療の現場でより広く活用するためには、生体外で細胞を培養して増殖させる技術が必要です[iv]。しかし生体外での培養では、造血幹細胞は増殖とともに様々な血球細胞に分化してしまうという問題があります。



解決方法:新規細胞培養液の開発

弊社は造血幹細胞の単離技術の開発[iv]を元に、造血幹細胞を未分化のまま高純度で増幅し、製剤化できる細胞培養液の開発に取り組んでいます。造血幹細胞の未分化維持と増幅には、アミノ酸が重要な因子であることに着目し[v,vi]、新規細胞培養液の研究開発を進めております。 現時点で、最も未分化な細胞である骨髄系前駆細胞由来コロニー(CFU-GEMM)の存在割合が従来細胞培養液よりも高い新規細胞培養液の開発に成功しています(下図:細胞培養液の比較結果と造血幹細胞の分化)。

開発した新規細胞培養液は、医療だけでなく生命科学研究での活躍も期待できます。



まとめ

高い治療効果が見込まれる造血幹細胞は、臍帯血中など、生体内での存在割合が非常に低く、移植時の細胞量不足が問題となっています。そのため、造血幹細胞を単離し増幅する必要があります。その際、未分化能を維持したまま細胞培養できる細胞培養液の開発が必要です。弊社ではこの問題を解決するために新規細胞培養液の開発に挑んでおります。



問合せ先

 ネクスジェン株式会社
〒650-0047 兵庫県神戸市中央区港島南町6-3-5
TEL:078-381-9455
Email: info@nextgem.jp




参考文献

  • 2019年度 再生医療・遺伝子治療の市場調査 最終報告書 国立研究開発法人日本医療研究開発機構 再生・細胞医療・遺伝子治療開発事業部 再生医療研究開発課、2020年4月21日https://www.amed.go.jp/program/list/01/02/shijou_chousa.html
  • 造血幹細胞移植の課題と解決法~長期造血幹細胞の単離・拡大培養法の開発https://www.nextgem.jp/whitepaper/01/
  • 造血幹細胞移植、国立研究開発法人国立がん研究センターHPhttps://ganjoho.jp/public/dia_tre/treatment/HSCT/index.html
  • Kumar S, Geiger H. HSC Niche Biology and HSC Expansion Ex Vivo. Trends Mol Med. (2017) 23(9):799-819. doi:10.1016/j.molmed.2017.07.003
  • Chen JY, Miyanishi M, Wang SK, Yamazaki S, Sinha R, Kao KS, Seita J, Sahoo D, Nakauchi H, Weissman IL.[y1] Hoxb5 marks long-term haematopoietic stem cells and reveals a homogenous perivascular niche. Nature. (2016) 530(7589):223-7. doi: 10.1038/nature16943.
  • Taya Y et al., Depleting dietary valine permits nonmyeloablative mouse hematopoietic stem cell transplantation. Science. (2016) 354: 1152-1155. doi: 10.1126/science.aag3145
  • Wilkinson AC et al., Branched-chain amino acid depletion conditions bone marrow for hematopoietic stem cell transplantation avoiding amino acid imbalance-associated toxicity. Exp Hematol. (2018) 63: 12-16. doi: 10.1016/j.exphem.2018.04.004

CLOSE